主な視察先 2月1日(木)-1
トリノ市役所 CITTA’ DI TORINO
1. トリノ市役所表敬訪問
2. トリノ工科大学教授との懇談
3. デザイン関係者との懇談
1. トリノ市役所表敬訪問
トリノ市副市長から歓迎挨拶とトリノ市の取り組みについての説明を受ける。
[要約]
トリノと名古屋は共通項として自動車産業や大きなプロジェクトの成功がある。姉妹都市提携した2つのコミュニティの交流を積極的に進めたい。オリンピックの成功によって新たなトリノの姿が見えてきた。名古屋も愛知万博の成功がある。
トリノはカーデザインの伝統を生かし、さらに国際的デザイン都市への成長をめざしている。自動車だけでなく、各ジャンルの向上をめざしている。2008年に開催予定の、ICSID認定によるWorld Design Capital TORINO 2008は先例がないチャレンジである。
トリノはFIAT を中心として発展してきた。市民の60%は自動車関連の仕事に従事していたが、FIATの低迷とともに減少、現在は約30%になっている。トリノ市も財政の非常に厳しい時期が4年近くあったが、ポジティブに将来を考えられるという自負はある。省エネルギーやリサイクルなどへのとりくみと市民生活への還元を図っていく。
副市長の挨拶を受け、名古屋市側から今回の視察に対するトリノ市の歓迎と協力に対する謝辞を述べた。トリノ商工会議所国際部Sabato氏からも、昨年10月の姉妹商工会議所提携を受け、今後の会合や協力事業の予定等が紹介された。懇談後、一般には入場できない議会室を特別に見学できた。
懇談参加者:
*トリノ市側
Mr. Tom Dealessandri・トリノ市副市長、 Mr. Gianni Rossetti・助役スタッフ、Mrs. Silvia Sabato・トリノ商工会議所、
Mrs. Raffaella Scalisi・国際交流課長
*名古屋側
社本・名古屋市市民経済局産業経済課長、視察団12人、内田盾男氏(FORUM社)、鈴木伊都子氏(FORUM社/通訳)、伊藤美香子氏(ガイド)
会場:トリノ市役所本庁内 Sala Congregazioni
写真上:トリノ市章
CITTA’ DI TORINO
Piazza Palazzo di Citta', 1 10122 Torinohttp://www.comune.torino.it/
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副市長Dealessandri氏(右) Scalisi課長(左) |
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議会室で記念撮影 |
市庁舎と議会室・シャンデリア |
2. トリノ工科大学教授との懇談
POLITECNICO DI TORINO
トリノ工科大学各教授のプレゼンテーションを受け、その後質疑などを行う。名古屋側からトリノ工科大学のカリキュラム、指導方針について質問し、総合的なデザイン教育の重要性について意見交換を行う。
[トリノ工科大学の概要説明]
トリノ工科大学はピエモンテで唯一の工科大学で、建築系2学科とエンジニア系4学科を持つ。名古屋市立大学と姉妹校提携。国際化を目標として積極的に進めている。各国工業系大学との交流を図っており、中国・上海大学との交換留学や、日本では東京、仙台、岐阜などとも交流している。学生総数は約1,000人。1~3年の学部を経て博士号を取得。
□1年(基礎):ID (140名定員)とグラフィック(120名定員)のコース
□2年(エコデザイン):世界的レベルでヨーロッパで唯一のコース
□PSD 博士(ドクター)コース
□マスターコース(大学院)
トリノ工科大学懇談参加者:
Prof. Marco Gilli, Deputy Chancellor(副学長)
Prof. Bernardino Chiaia, Deputy Chancellor in charge of Didactics(教科主任教授)
Prof. Luigi Bistagnino, Dept. of Industrial Design(インダストリアルデザイン科教授)
Prof. Pier Paolo Peruccio, Dept. of Industrial Design(インダストリアルデザイン科教授)
会場:トリノ市役所本庁内 Sala Congregazioni
写真上:トリノ工科大学の教授陣
POLITECNICO DI TORINO
Main Campus
10129 Torino, Corso Duca degli Abruzzi, 24 https://www.polito.it/
3. デザイン関係者との懇談
トリノはインターナショナル・デザイン・アライアンス(IDA。国際インダストリアルデザイン団体協議会(ICSID)と国際グラフィックデザイン団体協議会(icograda)が共同で設立した機構)が認定する世界初のワールド・デザイン・キャピタルに立候補し、2008年には公認されデザインイベントを開催する予定である。また2011年にはイタリア建国150年の記念イベント開催も計画されている。この2つの大規模イベントについて関係者から説明を受けた。姉妹都市である名古屋へ、今後の連携や協力を期待する声も聞かれた。
[World Design Capital TORINO 2008について]
トリノは自動車産業以外の産業の発展もめざし、それにはデザインが中核となる。World Design Capital に選定された理由は、我々の「デザインを通じて変化したいという情熱」だと考える。ICSID、Icogradaとも連携して計画を進める。世界からコンセプトを検討するディレクターを招聘し計画を策定。デザイン集積ゾーンとして、イタリア初のデザインセンターがトリノに開設される(2008年10月オープン予定)。国際デザインセンターともぜひコンタクトをとりたい。名古屋市の協力を得て、例えば「名古屋ハウス」(名古屋を紹介するパビリオン)のようなものをつくりたい。他の姉妹都市にも呼びかけをする。(Molineri 氏の説明より)
[イタリア150]
1861年のイタリア建国から150年を記念する国家的イベント。イタリア国内での誘致にトリノも立候補しており、900万人動員規模のイベントを計画している。例えば名古屋の市民へのPRに名古屋のグラフィックデザイナーの協力などがあると望ましい。トリノ市からオフィシャルな協力依頼も検討したい。(Verri氏の説明より)
トリノデザイン関係参加者:
Mr. Giuliano Molineri (ICSID/TWDC 理事)
Mr. Paolo Verri, Director of the Committee “Italia 150”( 「イタリア150」委員会ディレクター)
会場:トリノ市役所本庁内 Sala Congregazioni
写真上:Verri氏とMolineri 氏(左から)とWorld Design Capital TORINO 2008資料
▼World Design Capital TORINO 2008に関する情報
http://www.torinoworlddesigncapital.it/