主な視察先 1月31日(水)-1
スピーナ・チェントラーレ
(再開発地区)
Spina Centrale
トリノ市役所市道公道整備セクション役員・プロジェクト担当Angelica Ciocchetti氏(建築家)の案内で、再開発地区「スピーナ・チェントラーレ」を視察。
スピーナ計画は従来地上を通っていた市内の鉄道を地下に移し、同時に以前の工業地帯を再整備する計画で、中心となるのは4つのサブ・エリア(第1~第4スピーナ地区)の各エリアをつなぐ大並木道の建設プロジェクト。地下に埋め込んだ鉄道の上を通って、郊外東部からトリノの中心部をつなぐ大幹線道路が建設される。
スピーナ各地区をバスで回り、途中3地区に建つ「SANTO VOLTO教会(Chiesa Santo Volto)」を見学。2006年に完成した斬新なデザインのカトリック教会で、設計は世界的な建築家マリオ・ボッタ。木を多用した内装は暖かみと安らぎを感じさせる。「SANTO VOLTO」は「聖なる顔」を意味する。祭壇中央背面には、トリノの有名な聖骸布「キリストの顔」をモチーフとした木のモザイク壁があり、その上部の十字架型のスリット窓から射す光も大変印象的。
※「SPINA」=本来「とげ」、「背骨」等を意味する言葉で、再開発プロジェクトを象徴する名称として使われている。写真上:「SANTO VOLTO教会」/外観とトリノの聖骸布をモチーフにした祭壇(設計:マリオ・ボッタ)
Chiesa Santo Volto
Via Val della Torre, 11-10149, Torino
教会周辺はかつての自動車工場跡地で、工場の鉄骨をそのまま残し歴史的モニュメントとして保存している(写真左)。教会の横にもかつての工業地帯の記念碑が建っている。高さ55mの煙突は、メタリックなイルミネーションのスパイラルに包まれたユニークな鐘楼に生まれ変わっている(写真右)。その土地の歴史をふまえ、かつ大胆に再生されたデザインである。 |
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建設中のカルチャーセンター 設計:マリオ・ベリーニ |