我々はリミックスの中を生きている。
たとえば、モダニズムとフォークロアが組み合わされた椅子に座り、カントリーミュージックとリズム&ブルースの融合から生まれたロックを聞き、80年代のエッセンスを取り入れた服を着て、21世紀の都市にいる。日々生活している中で我々を取り巻くもの、形づくるもの、それを選んでいるのは我々自身であり、何ひとつ単調で均一ではないはずである。どう遊びたいか、どう働きたいか、どう休みたいか、どう暮らしたいか、そこには、ルールも正解もない。デザインやスタイルは、その表現や受け取り方の自由さが楽しい。
「CIBONE」を考える時も同じ、ひとつのデザインが単なる物に留まらず、人によって様々な受け取り方が出来たりまさにリミックスできる自由さを大切にしている。
流通業界の既存の概念や常識の範囲にとらわれずに、インテリア、ファッション、音楽、アートなど、暮らしを取り巻くあらゆる分野に目を向ける。バイヤーというより、スタイリスト。デザイナーとかコーディネーターとかファッションスタイリストとかDJとか、それぞれの世界でスタイルを持っている人間が企画に関わることでよりリアリティーのあるリミックスをひろげ、ショーケースのような作られたスタイルとは違う、刺激的で魅力的なものになっていく。心地良さだったり違和感だったり、伝えたいこと、触れていたいもの、その組み合わせで生まれた"今の気分"が、次のリミックスを生み、未来へとつながっていく。「CIBONE」が表現したい新しいライフエディトリアルの形である。
▼講演要旨
「「インドはブランド」世界市場進出を図る処方箋」 -スジャタ・ケシャバン・グハ
「ライフエディトリアルの視点」- 横川正紀
「伝統技術から新製品を発想するフィリピンのモノ作り」-ケネス・コボンプエ
▼クロストーク
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