「POP DESIGN '30s」アメリカ・素材革命の時代
開催概要
収蔵品であるアメリカン・アール・デコ・コレクションを紹介してきた展覧会、国際デザインセンタ-・デザインミュ-ジアム・コレクションシリーズ。第10回を迎えた今回は、1930年代に次々と誕生しさまざまな製品に使われた新素材に着目し、その登場によって生まれたポップな生活用品とデザイン感覚をご紹介します。
1930年代は新素材の開発と製品化が急速に進み、人々の生活の中に従来にない素材と色彩があふれた時代でした。20世紀初頭の産業革命がもたらした新しい生産技術、新しい産業形態、そして新しい素材は、産業界に大きな変革をもたらしただけでなくアメリカにおいてはデザイン、カルチャーの分野に新しいスタイルを生み出す役割を果たしたのです。
多種多様なプラスチック素材の開発や樹脂を使ったラッカー塗装の登場、カラーガラスやガラスへのプリント技術の向上などによって、表現の世界は飛躍的に広がりました。新素材は鮮やかな色彩とその成型の容易さで、従来とはまったく異なる美的感覚の誕生を誘引しました。パステルブルーやピンク色のキッチングッズ、ミントグリーンのラッカー仕上げを施したチェストなど、その色や質感は斬新で明るく、新しい感覚に満ちています。
30年代中頃にはこうした陽気で大衆的、いわゆる「ポップ」なスタイルが人気をあつめ、あらゆる生活用品に取り入れられていきます。リノリウムの床に、スチールパイプとカラフルな合皮でできたテーブルセット。ピカピカに光るトースターやジューサーが並ぶキッチンから、プラスチックやカラフルな陶器の器に盛られて食事が運ばれる。当時の雑誌広告には多くの人々が憧れた新しい生活スタイルをかいま見ることができます。
こうした大衆的でモダンな魅力を備えたポップ・デザインは1950年代にかけてアメリカの一文化をつくりあげ、その魅力は世界中に影響を与えました。そのルーツはこの時代、30年代に登場し、鮮やかな色彩と質感を担った新素材が支えたと言っても過言ではありません。
「POP DESIGN '30s」展では、30年代の代表的な新素材、プラスチックでつくられた食器や電化製品を中心に、家具やガラス食器、喫煙具、アクセサリーなど、カラフルで軽快なデザインの生活用品を紹介します。モダンで遊び心のある当時のデザインの魅力にこの機会に触れてみてください。
デザインミュージアム・コレクションシリーズ vol.10 「POP DESIGN '30s」アメリカ・素材革命の時代
- 会期
- 2004年3月5日(金)~4月18日(日)
- 時間
- 11:00~20:00(入館は19:30まで/最終日も同じ)◎会期中無休
- 会場
- 国際デザインセンター・デザインミュージアム
〒460-0008名古屋市中区栄3-18-1ナディアパーク・デザインセンタービル4階/電話:052-265-2106 - 入場料
- 一般300円/学生200円(常設展示含む)※中学生以下無料
- 主催
- 株式会社国際デザインセンター
- お問い合わせ
- デザインセンター・事業部「'30s GRAPHICS」係
アクセス
- 地下鉄名城線「矢場町」駅6番出口より徒歩5分
- 地下鉄東山線「栄」駅7番出口より徒歩7分
- ◎詳しいアクセスはこちらをご覧ください