平成29年度 デザイン活用研究会 活動内容
商品企画力・開発力の強化、販路開拓・販売促進、デザインの戦略的活用を目指し、全体指導(実際の開発に役立つセミナーやワークショップ 全6回)と、専門相談員による個別指導を行いました。
研究会参加者:36事業者・36名(業種:製造業16、サービス業11、卸売業5、建設業2、小売業2)
全体指導
デザインを経営に活かすための「デザイン活用セミナー」と、今後の商品やサービスの開発、プロモーション活動を具現化するための「ワークショップ」を開催。ワークショップでは、3日間で1つの課題をこなす形で、人間観察(調査)、問題定義、発想、コンセプト立案などにデザイン的視点を取り入れデザイン開発を戦略的に展開する、デザイン思考プロセスを体験。講師が進行役を担当し、初めて体験する事業者にもわかりやすいよう、考え方のサポート、解説を交えながら進めました。
プログラム
【商品企画】
デザイン活用セミナー
「デザインの発想を理解し、商品開発に活かそう!」
ワークショップに先立ち、導入として「デザイナーの発想プロセス」や「目的を表現することの意味」について解説セミナーを行いました。
日時:平成29年6月27日(火)14:00~14:30
解説:杉野 実
参加者:31名
第1回ワークショップ
視点(共感):目的・課題の整理/モノ・コトの捉え方(見方・行動・実態)を知る
業種の異なる人たちがグループを組み、企画を具現化する過程を、与件の整理からプレゼンテーションまでのステップに沿って3日間で体験。初日は、課題(テーマ:バッグの商品企画)に対して観察すべきポイントについて話し合いをし、抽出したポイントに沿って、売り場の観察(調査)を行いました。観察場所に応じて、場所の特徴や商品、客層など、観察内容から「気づきのポイント(分析)」としてまとめ、企画立案する上での軸づくりを行いました。
日時:平成29年6月27日(火)14:30~17:00
講師:杉野 実 / 野口 大輔 / 奥山 泰助
参加者:31名
第2回ワークショップ
解釈(問題定義):真実を知る・本質を捉える
観察結果を踏まえ、使う人(ターゲット)を定め、ターゲットの生活状況を想像しながら、使用目的や用途、売り場について深く掘り下げ、具体的に言語化し、一枚のシートにまとめる作業を行いました。
発想(企画立案):柔軟な発想、発想の拡張と集約
定めたターゲットに対し、言葉やイメージ画像を交え、思いつきも含めた、自由なアイデア展開を行いました。この段階ではアイデアをひとつに絞り込むのではなく、複数のアイデアへの展開の仕方から集約についてまで深く理解すると共に、グループをまとめる進行役の役割についても考察しました。
日時:平成29年7月25日(火)14:00~17:00
講師:杉野 実 / 野口 大輔 / 奥山 泰助
参加者:30名
第3回ワークショップ
表現(まとめ):的確に伝える
これまでにまとめ上げたアイデアを他者と共有するためのツールを制作しました。商品の形や機能をイラストと言葉で、素材やカラーを写真や色見本を用いて具体化し、ターゲットやコンセプトと共に、一枚のシートにまとめる作業を行いました。最後に、プレゼンテーションを行い、意見交換をしながら企画内容を検証しました。
日時:平成29年8月22日(火)14:00~17:10
講師:杉野 実 / 野口 大輔 / 奥山 泰助
参加者:21名
【プロモーション企画】
デザイン活用セミナー
「アピールのための発想法」
ワークショップに先立ち、導入として「プロモーションの基本的な概念」や「検討すべき構成要素」について解説セミナーを行いました。
日時:平成29年10月20日(金)14:00~14:30
解説:上岡 和弘
参加者:18名
第1回ワークショップ
視点(共感):目的・課題の整理/モノ・コトの捉え方(見方・行動・実態)を知る
セミナーで説明した相関図を臨場感を持って理解するために、1対1の自己紹介を通して、自身と対象の感じ方、受け取り方の違いを確認しました。また、媒体を通したコミュニケーションの基本的な考え方について、解説を踏まえ、自己紹介カードの作成を通して体験しました。
日時:平成29年10月20日(金)14:30~17:00
講師:上岡 和弘 / 杉野 実
参加者:18名
第2回ワークショップ
解釈(問題定義):真実を知る・本質を捉える
参加者個々の実際のビジネス(商品・サービス)課題からテーマと対象(ターゲット)を定め、自身の訴求要素やターゲット属性について特定していく作業を、検討要素の解説を交えながら行いました。
発想(企画立案):柔軟な発想、発想の拡張と集約
定めたターゲットに対しどのようなコミュニケーションによって共感や納得を得るか、について、講師、受講者が一緒になって意見交換を行い、コンセプトとなるキーワードの抽出を行い、アピールシートにまとめる作業を行いました。
日時:平成29年11月24日(金)14:00~17:00
講師:上岡 和弘 / 杉野 実
参加者:16名
第3回ワークショップ
表現(まとめ):的確に伝える
アピールシートを元に、具体的な広報ツールのイメージを制作。広報ツールは印刷物を中心とした媒体に限定し、これまでに用意した素材を用いてイメージ制作を行いました。最後に、プレゼンテーションを行い、意見交換をしながら企画内容を検証しました。
日時:平成29年12月15日(金)14:00~17:10
講師:上岡 和弘 / 杉野 実
参加者:16名
参加者の感想
会場
クリエイティブビジネススペースコード
〒460-0008 名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク・デザインセンタービル4階
講師
杉野 実 / M1_Project デザインプロデューサー
広告代理店を経て、1993年株式会社国際デザインセンターに入社。国際デザインセンターの立ち上げ、研修・イベントの企画・運営など中小企業やデザイナー、学生に向けたデザインプロモーション活動を行う一方、企業・団体等のデザイン企画制作、名古屋市新商品開発デザイン支援コーディネーターを務め、2007年フリーとなる。講演会、展覧会、PRツールの企画制作、中小企業の新商品開発などのデザインプロデュース活動を行っている。
名古屋市、岐阜県など主催のデザイン研修講師、商品開発アドバイザー、協同組合愛知デザインユニオン理事、中部クリエーターズクラブ会員、クリエイティブビジネススペースコード スペース長
上岡 和弘 / 大同大学 教授
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業後、デザイナー・SPプランナーを経たのち、広告代理店でクリエィティブ・SP・マーケティング・新規事業開発などの職種を歴任し現職。担当したクライアントは、車関連・飲料関連・ゲームエンタテイメント関連・流通関連など多数。大学では、愛知クオリティ企業の広報研究ほかを行っている。
日本広告学会会員 日本広報学会会員
野口 大輔 / 株式会社COMULA 代表取締役
2006年名古屋市立大学芸術工学部を卒業。インハウスデザイナーを経て、2013年に独立。デザインや企画の提案だけでなく、必要な工場の選定や経営状況に応じた製造計画、協力工場と連携した製造までを請け負う、ものづくり組織「株式会社COMULA」を設立する。製品のデザインから、それに関わるパッケージ、カタログ、ウェブサイトまで、「製品を作り、売る」ために必要なデザインを、一貫したコンセプトで行う。様々なものづくりの工場が集まっている岐阜をベースに活動している。
奥山 泰助 / 合同会社カラーデザインセンター 代表社員
豊田工業高等専門学校機械工学科、札幌市立高等専門学校専攻科インダストリアルデザイン学科を経て、2008年静岡文化芸術大学大学院デザイン研究科を修了。大学院在学中より、デザインディレクション事務所にて製薬会社、部品試作メーカー、大手製菓ブランドのデザインコンサルティングの他、国内外の景観整備プロジェクトに携わる。
2008年4月より塗料メーカーナトコ株式会社勤務。国内外メーカー向けのカラーデザイン及びテクスチャデザインに携わる。
2013年8月より個人事務所「COLOR DESIGN CENTER」を開設、2014年8月より法人化。企業CIおよびCMFデザインを手がける。近年の代表的なプロジェクトに、切子の技法を応用したスマートフォンカバー「Air JacketTM “kiriko”」シリーズがある。
個別指導
参加事業者個々が抱える問題を踏まえ、専門の相談員が現場に即した個別指導を行いました。具体的な商品・サービスの創出をめざし、調査希望のあった22事業者に対して、コーディネーター、サブコーディネーターが、開発テーマ・問題点・技術など商品・サービスの開発に欠かせない項目に関するヒアリングを実施。明確な方針が確定した事業者9社に対して、平成30年2月上旬までに 専門相談員による指導を行いました。
設置期間:平成29年4月3日~平成30年2月13日(土日祝日および年末年始を除く160日間)
設置場所:株式会社国際デザインセンター内
指導回数:22事業者96回(うち外部専門相談員指導事業者:9事業者64回)
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