《REPORT》
◎日本を代表するデザイナーの描く21世紀のデザインのエスキース◎
「内田繁展―フラグメント」
ーデザインの逆遠近法ー
+デザイントーク開催

 
 

国際デザインセンターでは、去る10月25日~11月5日にわたり、デザインミュ-ジアム特別 企画展「内田繁展―フラグメント」―デザインの逆遠近法―を開催した。

国際デザインセンター主催のデザイナー・シリーズ展第2弾である本展は、日本を代表するインテリアデザイナーとして、常にその作品や発言が注目される内田氏の新作発表とあって、大きな反響を呼んだ。展覧会と合わせ開催された講演会にも定員500名を上回る申込みがあり、内田氏の語る未来論に対する期待の大きさがうかがえた。
 
   
今回の展覧会、デザイントークは、ともにテーマは「21世紀のデザインのエスキース」を探る試みであった。展覧会タイトルの“フラグメント”は「断片」を意味する言葉であるが、内田氏はこの個展によせたメッセージで次のように語っている。「…単なる部分としての断片ではなく、全体の一部としての断片であり、ときに断片そのものが全体を表すものである。私は21世紀デザインは、断片から出発するものだと考えている。…(略)」

 
   
発表された作品は日本の「縁台」に着想を得た組み合わせのベンチソファである。1組のベンチは3点のパーツから構成されているが、配置を変えることで実に様々な表情の空間を生み出していく。歌舞伎の伝統色を思わせる色彩 と曲線が独特の雰囲気を醸し出している。また、壁面には色彩あふれる3種の棚も展示された。近年、内田氏が非常に興味を持っている「色彩 」と「浮遊性」に取り組んだ作品で、色と光と影の織りなすリズム感が印象的であった。

 
   


 
     

     
※フラグメント【 fragment】:断片、かけら
※エスキース【 esquisse】:スケッチ、下絵

 


写真撮影/浅井美光
     

 
●「内田繁展―フラグメント」
会期=2000年10月25日(水)~11月5日(日) ◎会期中無休
時間=11:00~20:00(入館は19:30まで)
会場=国際デザインセンター4階・デザインミュ-ジアム+デザインギャラリー
主催=(株)国際デザインセンター
後援=中部デザイン団体協議会
入場料=一般300円(団体:200円)、学生200円(団体:100円)
入場者数=1,360人

●デザイントーク「内田繁 21世紀のデザインのエスキース」
日時=2000年10月26日(木)14:
00~17:00
会場=中区役所ホール
主催=名古屋市・(株)国際デザインセンター
講師=内田繁(インテリアデザイナー)
   竹村真一(東北芸術工科大学助教授・(株)プロジェクトタオス代表)
   粟野弓(東京造形大学特任教授/色彩学・アーティスト)
参加者数=458人


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