作品名 | 澤羅〜失われゆく水辺。今、それをつくる方法へ。〜 |
コンセプト | 奥草津六合村にある谷戸に、羅状の水筋と植生が複雑に縫い込まれているような不気味な水辺があります。私は、その妖気に満ち満ちた水の妙景から『澤羅』というコンセプトを見出しました。本提案は、人の手によって、或は人の手を離れることで荒廃してしまった谷戸を、澤羅というコンセプトを基に地盤改良する方法を提案するものです。私は、澤羅環境の重要な要因が「非線形的な地形」と「空隙に富む地質」だと判りました。そして私は、それらを設計条件に「羅状人工地盤」という造景工法を見出しました。これは、人工地盤を羅状に縫い込むことでできる非線形的な地形で、羅状の水筋をコントロールしようとする方法です。羅状人工地盤の架構体には、木材が用いられます。架構体の間隙には、空隙に富む海綿スポンジが充填されます。それらは、共に土へ還る素材です。羅状人工地盤の設計は、人工地盤が周りの自然と同化していくプログラムをもちます。 |
審査員コメント | 日本の土木工事が自然の景観を大きく失わせていった。自然景観の失われた羅状性を取り戻すという提案には大いに賛同したい。 しかし自己増殖性をもっている自然のエコシステムを、人工物を使って人為的につくる難しさも感じる。人工物によってエコシステムが崩れてしまうのではないかという懸念も持つ。 自然の持つ自己治癒力、生態系の力を復活させる方法をさらに研究してもらいたい。 |
受賞者名 | 成田 愛/Ai Narita | |
生年 | 1984年 | |
性別 | 男性 | |
国籍 | 日本 | |
職業 | 光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所/ペリクラークペリアーキテクツジャパン | |
学歴 | 長岡造形大学大学院 卒業 |