作品名 | てことば |
コンセプト | 手話を使い、言葉が生まれる瞬間を追体験してみたいと思った。普段、私たちが意識せずに使っているコミュニケーションツールとしての言語は、現実にはひとつひとつの言葉に分解され、それが相互に繋がることで他者に到達する。しかし、日常会話の中ではそんなことは一切意識されない。手話においては、そういった自明性の中に埋没してしまった部品としての、言葉の発せられる瞬間が具体的なかたちとして目に見えてくるのだ。あたりまえのコミュニケーションのあたりまえではない部分を感じるために取り組んだプロジェクトである。 滑らかな音でなく、無骨な仕草だからこそ、言葉の送り手も、受け手も、お互いに一歩ずつ相手に近づこうとする。だからこそ、その滑らかでないところに、私は希望を感じる。そこにコミュニケーションを感じている。 |
審査員コメント | 作者が手話に出会った最初の驚きや感動を、人のコミュニケーションの本質的なものにつなげ、映像と本の形態で美しく感動的に表現している。デザインのスキルを使って、わたしたちの言葉が持っている命の動きのようなものを視覚化した作品であり、自分たちがどのような世界にいるのかをもう一度認識し直す試みともいえる。 我々の周りで日常起きていることに新しい視点を与えることが、21世紀のこれからに必要なデザインのありかたではないだろうか。その意味で、デザインの可能性を大いに広げてくれる素晴らしい作品である。 |
受賞者名 | 吉田 由梨/Yuri Yoshida | |
生年 | 1987年 | |
性別 | 女性 | |
国籍 | 日本 | |
職業 | 株式会社たき工房 デザイナー | |
学歴 | 日本大学芸術学部デザイン学科コミュニケーションデザイン 卒業 |