2013.10.01 |
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第6回国際コンペティション「名古屋デザインDO! 2008」開催レポート
デザインをすることの意味とは何だろう?デザインを通して私たちはどんなメッセージを世に送り、何を実現したいのだろう?
第6回の「名古屋デザインDO!」は、人間が生きていくうえで欠かすことのできない行為「食べるということ」をテーマに選び、世界中の若いデザイナーや学生に投げかけた。折しも日本国内では食品成分、生産地、賞味期限表示の改ざんや偽装事件、食中毒事故などが相次ぎ、食の安全性への信頼が大きく揺らぎ始めた時期でもあり、食糧価格の高騰や食糧不足は今や全世界に深刻な影響を及ぼしている。
「食べるということ」はすなわち私たちが「生きるということ」。
とてもシンプルですが、幅広い視点でアプローチができるテーマであり、世界50カ国・地域から応募総数1,352点という大きな反響を得ました。その中からどんなユニークな提案が選ばれるのか。1次・2次の審査を通じて審査員と主催者に共通していたのは、「人を幸せにする」「前向きな」視線が感じられるデザインを選ぼう、ということだった。大災害や食糧危機、身体的な障害、環境問題、食品の安全性など社会的な問題にとりくんだものから、食をめぐる記憶を呼び覚ますもの、イマジネーションをかき立てるものなど、最終的に選ばれた入賞入選作品は切り口はさまざまだが、どの作品からも、「デザインができること」のメッセージが明快に伝わってきた。
賞・受賞者
(作品名/受賞者/共同制作者)
■グランプリ
ONSUI【温水】/濱田 清絵
■金賞
leaf chips【リーフ・チップス】/飯田 智広
エアー・アイランド/ジャハン・リァオ/共同制作者:チェン・ウェイ・ピン
■銀賞
フード・ネックレス/シル・チャン/共同制作者:ユレイ・ジュ
石のスープ/マリア・ミクルスキエーネ/共同制作者:サルナス・ミクルスキス/フォトグラファー:CREEP
腐る食品表示 ~Fresh Label~(リンパンソン賞)/弘田 猶樹/共同制作者:井尻雄己、高橋孝二
※【米印】(水谷孝次賞)/南川 文
フード・ブック/シャーウッド・フォリー/共同制作者:オオウチミホコ
■入選
Loffel~計量スプーン/リン・ジャン
私に頼って:植物の成長を助けるためにリサイクル割り箸を使うプランター・サポーター/アジョム・カン
ミスター・エッグ/タン・ヨン・カイ
ロール・ナイフ/ジン・イー/共同制作者:ワン・レイ
雪のひとひら(アストリッド・クライン賞)/シシ・チン
デュアル・オープン・ボトル/カイユー・ライ
ティーバッグ・コースター:ティータイムに彩りを添えよう/ユリ・ステイシー・イム/共同制作者:ジェン・ヤン、サンミン・ベー
賞味期限:数値を大きく超えたもの/コウ・ヨウ
10万円のパン/ワイロン・ソウ
シェアボックス/キョンホ・ハ/共同制作者:ドンリ・キム、ヘードン・ソン
溶けていく北極/ホン・ルイホン
カムカムストロー/金井 崇
info Jewelry~視覚障害者のための食品購入サポート機器~/高橋 亮次
ツインズ/ショウミン・ヨウ/共同制作者:レ・リ、シャンフェ・ラン、ロン・リ、ピン・ジャン
このトレイに豚肉が入っていた。/巣内 雄平
考えずに食べる/ヘンリー・カイ・ハン・ホウ
脆い鎖/高谷 優偉
人間は生きるために食物に依存し、食物のために互いを攻撃する。(秋田道夫賞)/シーハン・フェイ
かぞくのおにぎり(安積朋子賞)/矢後 直規
vegetable font【野菜文字】/大井 隆弘
食べものに「飾り」はいらない。/大畑 岳
カロリートレード【Calorie Trade】/森田 直/共同制作者:大杉 和美、廣田 茂雄、福田 龍
(国際デザインセンター機関誌「NOC」 Vol.103[発行:2008年12月20日]より転載)
※入賞入選全作品は、第6回国際コンペティション「名古屋デザインDO! 2008」(イベントサイト)でご覧いただけます。