- ホーム>
- コラム>
- アメリカン・アール・デコ・コレクション>
- LIFE
2013.02.15 |
LIFE
『LIFE』は30年代、独自の記事構成と報道写真によって新しいフォトジャーナリズムのスタイルをうちだした20世紀最大のグラフ誌です。
写真は、マーガレット・バーク・ホワイトの撮影による名高い創刊号。初のフォトエッセイとして位置付けられることになるこの表紙は、モンタナ州フォートペックダムの建設現場における開拓者の生活をとりあげたもの。モダンな印象を与える紙面は同時に強いメッセージ性を備え、シンプルなロゴタイプがその力強さをさらに効果的に引き立てています。このインパクトのあるスタイルは『LIFE』の顔として創刊から一貫して引き継がれ、フォトエッセイの人気は、次々と類似誌を生み出します。テレビなどの映像媒体が普及していなかった30年代、これらの雑誌は一つのメディアとして大きな力を持ったのです。
現在、新しい情報媒体の豊富さと情報量は当時の比較にならないものとなっています。しかし、人に訴え興味をおこさせるデザイン性の高さを感じさせるものには、なかなかお目にかかれないように思います。どちらかといえば機能面における可能性を追いかけがちな現在のメディアに足りないものが、ここにあるのかもしれません。