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2014.04.16 |
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アメリカン・アール・デコのリビングデザイン展
国際デザインセンターのコレクションを紹介する展覧会シリーズ第5弾は、1930年代アメリカの家具を中心にアール・デコ期のリビングデザインを取りあげ、それぞれ特徴的なモチーフや素材ごとにテーマを設け、小物や当時の写真などの資料もあわせて紹介。1930〜40年代のモダンが薫るリビングデザインの魅力をお楽しみいただいた。
1920年代後期から1930年代にかけて、アメリカはエンパイヤステートビルに代表される高層ビルの建設ラッシュを迎えた。スカイスクレーパー(摩天楼)と呼ばれるこれらのビルの多くは、フランスから発信されたアール・デコ様式を取り入れたもので、その斬新さは人々に強いインパクトを与えた。幾何学模様に代表される洗練された装飾が特徴的なこのスタイルは、インテリアやグラフィックなど広い分野に波及し、モダンな小物や家具は人々の生活を彩っていった。
初期にはフランスからの輸入ものに限られていたアール・デコスタイルの家具も、数年後にはドナルド・デスキーやポール・フランクルといったアメリカ国内のデザイナーの登場によってバリエーションを広げる。デザインはよりシンプルでダイナミックなものへと変わり、同時に機械生産による低価格化によって、憧れのライフスタイルが大衆にとっても手の届きやすいものとなった。
なめらかな流線型のソファやブラックラッカー仕上げのダイニングテーブル。クロームチューブを使って美しい曲線を出した椅子。どれもが新しい素材やフォルムで当時の最先端のスタイルを主張している。感心させられるのは、それぞれが強い個性を持ちながら一つの空間において殺しあわず、より魅力を増す点である。いつの時代にもトレンドは存在するが、これほど強い個性を持ち、また生活全般にわたったデザインスタイルは、近年なかなかお目にかかれないのではないだろうか。
主な作品
クラブ・チェアとオットマン/制作年代:1934年/デザイナー:ドナルド・デスキー(写真左)
椅子/制作年代:1930年代中期/デザイナー:ケム・ウェバー(写真右)
テーブル・ランプ/制作年代:1930年代中期
IdcNデザインミュージアム・コレクションシリーズ vol.5
アメリカン・アール・デコのリビングデザイン展
会期:1999年4月23日(金)~5月16日(日)
会場:国際デザインセンター・デザインミュージアム+デザインギャラリー
主催:株式会社国際デザインセンター