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2014.04.16 |
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マガジン・アド30sーアメリカの広告とデザイン
国際デザインセンタ-のアメリカン・アール・デコ・コレクションをシリーズで紹介する展覧会の、シリーズ第6回は、“広告とデザイン”をテーマにユニークな雑誌広告群を取りあげた。自動車などの交通機関から食品にいたるまで、さまざまな分野にわたる30~40年代の雑誌広告にスポットをあて、そのグラフィックデザインの魅力を紹介するとともに、人々の生活に大きな変化を与えた日用品(家電製品、キッチングッズ、ファッション小物など)をあわせて紹介。大胆で楽しい広告表現と時代の雰囲気に触れていただく機会とした。
1930年代アメリカにはじまった大量生産、大量消費の動きはめざましいスピードで全世界に広がり、その経済効果とともに、今世紀を代表する新しい文化をつくりあげた。こうした流れの背景には技術革新による生産力の向上はもちろんのこと、マスメディアの発達が可能にした圧倒的な広告の力が見逃せない。人々は、心くすぐる魅力的な広告にイメージを膨らませ、そこに豊かさを感じ取ったのである。
1930~40年代にはテレビやラジオなど新しいメディアも次々と登場したが、紙を媒体とする広告はその普及率で大きな効果を上げた。イラストが主役を占めていた30年代の雑誌広告には個性的なものが多く、その表現力の高さは、当時めざましい発展をとげた家電市場やファッション産業、交通産業などから多くのニーズを得るものあった。
鉄道が整備された街を「流線型」の機関車が走り、家庭ではトースターや掃除機が新しい時代の到来を告げたこの頃、雑誌は専門雑誌からニュース雑誌まで多様化と部数競争をくりかえし、人々に新しい情報を与え続けた。情報のスピード化とともに急激にライフスタイルが変化した当時の広告からは、人々が新しい技術やモノに思い描いた豊かさがストレートに伝わってくる。
主な作品
雑誌広告「コカ・コーラ」/ザ・サタディ・イブニングポスト掲載/1932年(写真左)
雑誌広告「キャンベルスープ」/ザ・アメリカン・マガジン掲載/1932年(写真右)
雑誌広告「フーバー・バキュームクリーナー」(写真左)
バキュームクリーナー/制作年代:1932年/デザイナー:ヘンリー・ドレフュス/メーカー:フーバー社(写真右)
IdcNデザインミュージアム・コレクションシリーズ vol.6
マガジン・アド30sーアメリカの広告とデザイン
会期:2000年1月26日(水)~2月13日(日)
会場:国際デザインセンター・デザインミュージアム+デザインギャラリー
主催:株式会社国際デザインセンター