2013.10.01 |
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LINKS NAGOYA(リンクス・ナゴヤ)活動レポート
名古屋市の「クリエイティブ産業人材確保等支援事業」として、クリエイティブ産業の活性化と若手人材の雇用促進および定着化の支援を目的としたプロジェクト「LINKS NAGOYA (リンクス・ナゴヤ)」を実施した。
これは、中小企業を中心にバックアップし、東海地域の地場産業とクリエイティブ・セクターの連携による、より一層価値の高いモノづくり、東海地域のさらなる発展をめざしたもので、当地域の教育機関、クリエイティブ系人材と産業界のネットワーク形成を目的に、シンポジウム、展示会、ウェブサイトの運営、企業説明会など一連の事業を行った。
学生に対しては、就職に向けてのイメージ作りから、情報収集、仕事への取り組みや必要なスキルまで、さまざまな角度から情報を提供。また、企業には、新たな繋がりと発見のための情報提供の場として活用された。
経営上、企画機能を持つことは不可欠になってきている。モノづくりが企業活動のベースになっている当地域の産業において、クリエイティビティをうまく活用していくことは、企業活動にある一定の効果を生む。本事業で取りあげた企業は、クリエイティブの力を取り入れ企業活動の中でその力を生きた資産として活用できることを実証している企業、あるいは、クリエイティブを本業とし、今後、クリエイティブが企業にとってどのようなポジションであるべきかを論じられる企業を中心に参加していただいた。
クリエイティブな発想を経営面でも活用するためには、経営者と同じ視点・言語でクリエイティブを論じられるプロデューサー的な人材が、まだ圧倒的に不足している。今後、クリエイティブ産業を活性化させていくためには、つなぐ人材もあわせて育成していくことが求められる。
本事業には、ビジネスに発展した事例や就職に直結した事例もあり、これまで名古屋地区にはなかった視点での支援の取り組みとして多方面から評価を受けた。都市の特性や可能性を考えたプロジェクトを通し見えてきた名古屋の資産や課題を、今後の課題につなげていきたい。
■クリエイティブ・セクター:3つの可能性
クリエイティブ産業を担う人材
クリエイティブな能力が産業・企業に対してどのように寄与していくことができるのかを考えることが重要。人口減によりマーケットが縮小していくなか、個々のデザイニングもさることながら、モノづくり企業の中でその活用を促す立場は、より現実的で、クリエイティブ活用の視点でも有効なのではないか。
インターンシップの有用性
東京とは異なり、三大都市とはいえ一地方都市である名古屋圏では、必要とされるデザインが異なる。地方都市では、クリエイティブは何を成し得るためにあるのか。インターンシップではそれを肌で感じることができ、その後のミスマッチのない活用に繋げることができる。
クリエイティブの活用の可能性
技術は素晴らしいが、その技術の商用転換や、商品としてのプレゼンテーションのできない企業では、クリエイティブの活用されるべき余地が多分に残されている。
■主なプロジェクト
リンクス・ナゴヤ・ウェブサイト
東海地域で活躍するクリエイターや企業の応援、クリエイティブ産業の活性化と雇用の機会拡大を目指し、企業情報等を集約したポータルサイトを制作・運営。主催イベント情報、求人・インターンシップ情報、クリエイティブ関連企業情報(101社)、twitter、facebookによるコミュニティなど。2011年9月9日〜。
リンクス・ナゴヤ・シンポジウム
クリエイティブ系学生の職場体験の場としてのインターシップ、モノ作り体験の場としての産学連携プロジェクト、それぞれの事例を紹介。2011年10月14日、デザインホールで。
LINKS NAGOYA マーケット
クリエイティブ産業の活性化と雇用促進を図るため、産業見本市「メッセナゴヤ2011」において関連企業のPRの場を設け、業界への就職を目指す学生にわかりやすく企業を紹介する製品展示や面談会、情報提供を実施。クリエイティビティを事業に活用している企業を紹介。2011年11月9日〜12日。出展企業・団体:39社。
LINKS NAGOYA 企業説明会
クリエイティブ業界への就職を目指す学生に向け、インターンシップを実施している業種の異なる企業11社のインターンシップ受け入れや就職に関する相談会を実施。
■LINKS NAGOYA(リンクス・ナゴヤ)
事業主体:名古屋市
企画運営:株式会社国際デザインセンター
協力:NAGOYA DESIGN WEEK、特定非営利活動法人メイド・インジャパン・プロジェクト